高次モーメントと高次キュムラント,そして多変量キュムラント

 高次モーメント(積率)は特性関数(あるいは積率母関数)をマクローリン展開することで得られ,テイラー展開したときの形(a点周りのモーメント)がいわゆる中心モーメントを意味するのではないだろうかと思い調べてみた.
 確率密度関数の逆フーリエ変換した関数(確率密度分布と特性関数はフーリエ・逆フーリエの関係)である特性関数(あるいは積率母関数)をマクローリン展開することで,n次モーメント,テイラー展開することでa点周りのn次中心モーメントを求めることが出来る.そして,これらを対数を取ったものをキュムラント母関数といい,これらの展開級数κをキュムラントと云う.キュムラントとモーメントの関係式は,特に中心モーメントを考えた場合,1次〜3次キュムラントが,1次〜3次中心モーメントと一致する.そして,1次中心モーメントが平均,2次中心モーメントが分散,3次中心モーメントが歪度,4次が尖度を意味する.
 そして,多変量キュムラントを求めたい場合,各変数に対応するオペレータを適用することで,高次キュムラントを多変量キュムラントへ拡張することが出来,また高次キュムラントと高次中心モーメントの対応式から,高次モーメントを多変量に拡張してやることで,多変量キュムラントの値を一意に求めることが出来る.そして,多変量キュムラントは高次自己相関係数の値に一致するらしい.多変量キュムラントを求めることで,高次自己相関係数を得ることが出来るようだ.ただし,偏微分によって次数を変量へ拡張していくわけだから,指数的に計算量が増える嫌いがある.