アルツハイマー病の原因となる「アミロイドベータ」の産生調節機構を解明
(過去の記事から転載 この記事は多分2008/10ころに書かれたものです)
アルツハイマー病の原因となる「アミロイドベータ」の産生調節機構を解明 - 新しいアルツハイマー病治療薬の開発に有望戦略 - 独立行政法人 理化学研究所
詳しくは,関連[1]なんかも参照してもらいたいが,アルツハイマーの原因物質であるβアミロイドは,アミロイド前駆体タンパク(APP)がβ-セクレターゼやγ-セクレターゼによって切り出されて生じる.これらのセクレターゼを阻害すれば,原因物質は出来なくなるが,γ-セクレターゼは免疫系に深く関係しており(Notch1の生成),これを阻害すると免疫異常が起こる.β-セクレターゼに関しては,ノックアウトマウスなどによる研究から,目立った副作用は見られなかった.(ただし,副作用がまったくない・・というわけではないらしいのだが)
そういうわけで,β-セクレターゼ阻害がアルツハイマーの有効な治療になると考えられていた.で,それに関連した非常に有用な研究結果が,理研から発表されたらしい.
記事のトップにポイントとして書かれているところを引用させてもらうと,
- 神経細胞の「膜マイクロドメイン」を生体内の状態で単離
- アミロイドベータ産生調節の新メカニズム「マイクロドメインスイッチング」を発見
- アミロイド産生を促進する酵素「Cdk5」がマイクロドメインスイッチングを制御
とのこと.
アルツハイマー病に対する有効な治療法が確立されるのもそう遠くはないかもしれない.
関連: [1] アルツハイマー型認知症 - 粉末@それは風のように