「ストリートビュー」の地域制限,何らかの形で規制して欲しい人が約7割

 「ストリートビュー」の地域制限、不要の声が3割、全面禁止は2割

ストリートビューの提供地域の制限に関する設問では、「制限は不要」とした人が31.8%、「一部地域には制限が必要」が46.3%、「全面的に禁止して欲しい」が21.9%だった。
     「ストリートビュー」の地域制限、不要の声が3割、全面禁止は2割より引用

 INTERNETWatchのタイトルは制限が不要と言っている人が3割あることを前面に出す形になってるけど,やはり,留意しなければならないのは,全面禁止にして欲しいと(サービスを停止して欲しい)言っている人が約2割いること,一部地域を制限して欲しいと言っている人がほぼ5割近く,合わせて7割近い人が現状のサービスに何らかの不満や不安を抱いており,ストリートビューというサービスには是正の必要性があるということを示している.

このうち、「一部地域には制限が必要」と回答した人に「日本でのストリートビュー撮影地域はどこならば良いと思いますか?」と聞いた設問(複数回答)では、「観光地はOK」が最も多く90.2%、以下、「大通りはOK」が78.5%、「ビジネス街はOK」が59.5%、「商店街はOK」が56.6%、「国道沿いはOK」が49.8% 、「歓楽街はOK」が45.9%、「高級住宅街はOK」が4.9%、「一般住宅街はOK」が3.4%だった。
     「ストリートビュー」の地域制限、不要の声が3割、全面禁止は2割より引用

 アンケートに対する回答からも分かるように,プライバシーに関する懸念が非常に大きいようで,とくに住宅街に関しては撮影するべきではないとする人が,9割5分以上,ほとんど全員の人が住宅街は撮影するべきではないと考えている.それに対して,観光地や大通り,ビジネス街や商店街ならば撮影しても良いという人が過半数だった.
 そもそも,ストリートビューの目的は,

  • 都市の景観、ランドマーク、観光地を探索する
  • お店やレストラン、ホテルなどを検索する

であるはず.ならば,大多数の人の感覚とも合致しているわけで,googleはその目的に沿って行動していれば何の問題も生じなかったはずである.これらの目的の為に,住宅街を撮る必要性がまったく感じられないし,その行為は有意味ではないばかりか,害悪以外の何物でもない.「抜け道を見つけるのに役に立つ」という意見もあったが,本質的に,住宅街を抜け道に利用してはいけない.公道であっても,"生活用道路"という概念が一般的である日本において,(中学・高校時代,生活用道路云々で通学路が厳しく決められているように)"生活用道路"が抜け道として定着してしまうことは好ましくないのは明らかだろう.
 ストリートビューというサービスそのものは非常に面白い試みであり,また目的によっては非常に有意味なサービスであると思うので,目的を明確化してその目的にそぐわない行為は慎み,またこのアンケート結果を真摯に受け止め,いくつか露呈している問題を是正して欲しいなーと思う.

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