増え続ける被害 USBウイルスにご用心

 トレンドマイクロが11月中に寄せられたウイルス感染に関する報告などをまとめた「インターネット脅威マンスリーレポート」を発表した.それによれば,依然USBウイルスに関する感染被害が最多であり,またその件数も増加の一途を辿っているとのこと.

「USBウイルス」の報告が4カ月連続で“トップ”、過去最多を更新中 - ITPro

2008年11月中に寄せられた報告件数は5207件。2008年10月の5744件からは減少しているものの、報告数が最も多かった「MAL_OTORUN(オートラン)」の件数は増加。2008年過去最多の611件が報告された(同年10月は471件)。MAL_OTORUNについては、2008年8月以降、4カ月連続で報告数が最多。

 MAL_OTORUNは、USBウイルスが作成する悪質な設定ファイル(autorun.inf)。MAL_OTORUN自体には危険性はないが、このファイルとウイルスが仕込まれたリムーバブルメディア(USBメモリーなど)をWindowsパソコンに挿入すると、ウイルスがパソコンにコピーされて感染する恐れがある。
     「USBウイルス」の報告が4カ月連続で“トップ”、過去最多を更新中 - ITProより引用

 大半のUSB経由型のマルウェアは,既存のシグネチャによって検出可能なものであり,アンチウイルスソフトを導入していれば防げる場合も多い.また,一部のUSB感染型のマルウェアに関しても,「不用意にUSBを差し込まない」「自動実行機能(オートラン)を無効にしておく」「隠しファイル・フォルダもすべて表示にする」などの基本的な対策を取ることで,予防することが出来る.

 情報リテラシーの向上と,適切な対策を取ることが重要である.例えば,オートラン(自動実行)の無効化(レジストリによる無効化,その他US-CERT推奨の方法に関しては関連[2]を参照)やプロセス監視,アプリケーションコントロールなどの機能を持つファイアーウォールソフトの導入などが挙げられる.

 対策など詳しくは関連[2]を参照して欲しい.


追記 2008/12/04 19:00

 ZDNetのほうに,マルウェアの被害件数ランキングが載っていたので紹介する.

 USBメモリなどから感染する「MAL_OTORUN」に注意、4カ月連続で最多感染報告 - ZDNet

ランキングは、1位が「MAL_OTORUN」(611件:前月1位)、2位が「MAL_HIFRM」(89件:前月2位)、3位が「TROJ_GAMETHIEF」(76件:前月9位)、4位が「TSPY_ONLINEG」(67件:前月5位)、5位が「JS_IFRAME」(65件:前月10位)、6位が「BKDR_AGENT」(64件:前月2位)、7位が「WORM_DOWNAD」(60件:新規)、8位が「TROJ_VUNDO」(55件:前月7位)、9位が「TROJ_DLOADER」(前月4位)および「WORM_AUTORUN」(前月6位、ともに44件)となっている。
     USBメモリなどから感染する「MAL_OTORUN」に注意、4カ月連続で最多感染報告 - ZDNetより引用

 「WORM_AUTORUN」などもオートランを悪用したワームである.オートランによる被害件数は,非常に多いことが伺える.

関連:
[1] ビクターの販促用USBメモリにウイルス混入
[2] USBメモリ経由のマルウェア感染が猛威を振るっている - セキュリティ組織や企業が警告 -
[3] USBワームに発見を遅らせる新機能